色違いは気にしなくても大丈夫!
下の写真は、杉のフローリングを三年間経年変化を撮影した写真です。
木の色違いを気になさる方が多いのですが、色は数年で揃ってきますが、杢目の違いは一生揃いません。
特に杉は同じ山に生えていても地形によって色の異なる木になるんです。
谷に生えている杉は、水を多く吸い上げるために色が黒くなりやすいと言われています。
また、色の黒い木は油分が豊富で丈夫な木なんです。
木は、なぜ反ってくるの?
乾燥の問題もありますが、現在の住宅は高気密高断熱住宅の為に、過剰な乾燥からくる木の形状変化「割れ・反り・縮」です。
年間を通して冷暖房をエアコンに頼る事が多く、室内が人工乾燥機の内部と同じ状態でになり 木の含水率が10%以下になるからです。
内装材の含水率は、18%から25%前後が乾燥材といいます。
木材は水分が10%以下になると割れや反、縮が酷くなります。家の木が割れたり、縮んだり、反ってきた場合は、室内の湿度を計って湿度を50%から60%にキープする事が重要です。
「反りにくい木取り」と「反りやすい木取り」 があります。
「木」が「反る」目 で「板目」と書きます。字で表現しているように板目は反りやすいのです。
反りにくい木取り方は、柾目ですが、柾目の板はすごく高いのです。何故かと言うと大きな木でないと柾目の板は取れないからです。
同じ木から製材した板目でも取る部位で反り方も違います。
樹皮に近い白太の多く含む部位と 赤身だけの部位でも反り方が違います。
白太は成長している細胞なので水分を赤身より多く含んでいる為、伸縮が大きく反りやすく割れやすい部位です。
「割れにくくする方法」
無垢や集成材の乾燥材を使用しても割れてくる事がありますが、割れにくくする方法があります。
施工前にキザミ小口全て(長さ、巾、のカット部分 廻縁や長押等の溝溝部分)に割れ止め塗料や木工用ボンドを塗りこむ事で軽減できます。
※敷居溝や鴨居溝など見える部分は除く
割れる場合、キザミ小口から割れる事がほとんどです。このひと手間を掛けるだけでかなり軽減できますし、割れ止めを塗らずに割れた場合は、クレームの保障にならないです。
明細だけを見ると「樹材種 等級 寸法」だけしか木の明細を表記していませんが、同じ木材でも「産地 樹齢 林産者の手入れの仕方」等で違いがあります。
3m×12㎝角の杉の柱でも樹齢「40年から50年生」の柱もあれば樹齢「80年から120年生」の柱もあります。
同じ林産地でも山の環境整備「適地適木」に木を植林し先代の職人達の枝打ち間伐、手入れの仕方や「乾燥方法」等によって違いが出ます。
金額だけで 「高い 安い」 を判断しないでね。
カウンター裏面写真 右側が手鉋で仕上げた部分で左側の艶のない部分がサンダー仕上げ
見てお分かりのように艶が全然違います。職人さんの技でこの迄違いが出ます。
昔の建築が耐久性があったのも仕上げ方の違いが大きかったと思います。
「鉋仕上げだと雨水などをハジキ浸透しずらくします。」
現在鉋仕上げのできる職人は少なくなり機械による超仕上げやサンダー仕上げになりました。